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村上 洋
Journal of Molecular Liquids, 210, Part A, p.37 - 43, 2015/10
被引用回数:10 パーセンタイル:38.6(Chemistry, Physical)ナノメートルスケールの微小液滴を保持する逆ミセルは、水の構造・ダイナミクスに及ぼす空間拘束効果を調べるだけでなく、その微少液滴中に蛋白質などを可溶化することができるため、細胞類似環境下での生体高分子や水の状態を調べるために有用な系である。一方、THz分光によりピコ秒領域の水の集団的運動を調べることができる。本研究では、THz時間領域分光を用いた温度変化測定のために、溶媒と溶液試料を同時に温度制御できる装置を開発し測定を行った。液体水では、その拡散的運動に起因する10ps程度の時定数が水の融点付近まで温度減少と共に徐々に増加するのに対して、半径5nm程度の逆ミセル中の水では、285Kまで急激な増加を示す。これは、水の協同的運動が逆ミセルの空間拘束により阻害されることに起因する運動のスローダウンと考えられる。さらに、その温度以下で逆ミセルからの水流出が起こり、時定数の温度依存性が液体水と同様の振る舞いを示し、流出水は水の特性を回復することが明らかになった。